1998 Fiscal Year Annual Research Report
Polyethylene Particleがマクロファージに与える影響について
Project/Area Number |
10770731
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
尾島 朋宏 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (80297548)
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Keywords | ポリエチレン粒子 / マクロファージ / 付着蛋白 / osteolysis / 人工関節 |
Research Abstract |
人工関節周囲のosteolysisの原因として,ポリエチレン摩耗粉をマクロファージが貧食し,炎症性サイトカインを放出して,破骨細胞が誘導される機序が推測されている.一方,生体材料と細胞の反応には,材料表面に付着する蛋白が重要で,介在する蛋白によって細胞の反応が変化するといわれている。本研究ではマクロファージのポリエチレン粒子貧食と、それに伴う活性化の機序を明らかにする目的で,生体内でポリエチレン粒子周囲に付着していると考えられる蛋白に着目してin vitroで実験を行った.ポリエチレン粒子周囲に付着する血清蛋白のSDS-PAGEによる検討では,アルブミンとγ-グロブリンが検出された.一方,ポリエチレン粒子はその比重と表面荷電のために凝集,浮上してしまい,これまでin vitroの実験系ではほとんど使用することが不可能であった.光散乱法によるポリエチレンの粒子径の検討では,無血清浮遊液では7.2μm,血清浮遊液では3.3μmで,血清浮遊液で粒子径が小さかった.すなわち粒子周囲に血清蛋白を付着させることで,凝集を抑制することができた.さらにマクロファージの付着したチャンバースライドを粒子浮遊液で充填後,プラスチックシートで密閉,倒立し培養を行う倒立培養法を用いることで,マクロファージとポリエチレン粒子を再現性をもって混合,接触させることが可能となった.倒立培養法による検討では,ポリエチレン粒子周囲の付着蛋白により,マクロファージの粒子貧食促進,IL-6,IL-1βの産生増加が観察された.またポリエチレン粒子周囲にアルブミン,γ-グロブリンをそれぞれ付着させて,マクロファージの貧食,サイトカインの産生を検討した結果,γ-グロブリンを付着させた場合に有意に粒子の貧食促進,IL-6,IL-1βの産生増加を認めた.
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Research Products
(1 results)