1998 Fiscal Year Annual Research Report
人工材料を併用した再建前十字靭帯の3DFE法MRI評価と病理組織像の比較
Project/Area Number |
10770732
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
森 淳 日本医科大学, 医学部, 助手 (00246993)
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Keywords | 前十字靭帯 / 人工靭帯 / MRI / 病理組織学 |
Research Abstract |
多重折り薄筋腱・半腱様筋腱の全周を人工材料で被覆補強したAugmentation法による鏡視下膝前十字靭帯(以下ACL)再建術後6ヶ月以上経過した30症例に対して、より細かな解像度が得られ靭帯組織の描出に秀でている3-Dimensional Field Echo(以下3DFE)法MRI検査と再鏡視を実施した。MRI検査の使用機種は東芝超電導MR、静磁場強度0.5Tで、撮像条件はTR51秒、TE14秒、Flip角45度とし、スライス厚は1.5mm、スライス間隔は0mmである。3DFE法MRIでは顆間窩で10スライス前後の矢状面画像が得られるため、そのうち外顆寄りの4〜5スライスで再建ACLの信号強度を評価した。再建ACLは全症例にて少なくとも3スライス以上での太く明瞭な帯状陰影として描出された。再建ACL中心部が3スライス以上で均一な低信号陰影を示すもの、1または2スライスで均一な低信号陰影を示すもの、すべてのスライスでやや高信号線状陰影が混在するものがあり、また、再建ACLの前方部と後方部に高信号陰影を示すものと示さないものがあった。6ヶ月以上の経過期間の違いによるMR像の相違は認められない傾向にあった。再鏡視時における再建ACLから生検組織の採取については十分な配慮・インフォームドコンセントが必要であったため5症例に対してのみ実施しえた。組織学的検索は細胞数・形態・配列および線維束の方向性など膠原線維の成熟度を光顕レべルで観察したが、やや細胞数の多い未成熟な膠原線維束が多かったものの組織の再生過程と信号強度との関連性についてその傾向を明らかにするには至っていない。今後は病理組織学的検索数を充実させて、人工材料を併用した再建ACLに対する質的評価手段としての3DFE法MRIの有用性の観点から得られたMR画像と病理組織像の分析を継続する予定である。
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