1999 Fiscal Year Annual Research Report
腎癌細胞のアポトーシスにおける、細胞上・可溶性のFas,Fasリガンドの関与
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10770786
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
木村 元彦 新潟大学, 医学部, 助手 (90293208)
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Keywords | soluble Fas / soluble Fas / 腎細胞癌 / 生存率 |
Research Abstract |
1993年以降の腎細胞癌患者の術前および根治的腎摘除術後の血清について、soluble Fas(sFas)、soluble Fas ligand(sFasL)をサンドイッチELISA法にて測定した。 健常者17例、賢癌患者術前72例の術前血清のsFasの平均値はそれぞれ2.137、2.954ng/mlであり、腎癌患者で有意に高かった。健常者の平均値+2SD(2.927ng/ml)をcut-off値としそれ未満を正常値群、以上を高値群と分けると、腎癌術前症例では21/72例(29%)で高値であった。sFasの値と、病理組織学的因子とは相関しなかった。1997年12月の時点で生存について検討しえた69例については、sFas高値群で有意に生存率が低かった。さらに単変量、多変量解析の双方において、sFas値は独立予後因子であることが示された。 同様にして、健常者16例、腎癌患者術前60例のsFasLも測定したが、すべての症例で測定感度以下であった。 術後1、4、12週間後の血清を採取し得た腎癌患者については、腎摘除の前、1週間後、4週間後、12週間後のsFasの平均値はそれぞれ2.630、3.674、2.764、2.524ng/mlであった。術後早期(1週後)の血清sFasは、周術期の急性相反応物質として生体から産生されたものとも考えられた。sFas高値群46例は、正常群12例に比しやはり生命予後不良であった。4週間後には18例中12例が手術前の値±30%以内に復しており、全体としてt検定からも前値と同レベルであることが示された。
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Research Products
(1 results)