1998 Fiscal Year Annual Research Report
中枢神経系における排尿制御機構の解明 : オピオイド受容体の関与
Project/Area Number |
10770789
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
水野 秀紀 信州大学, 医学部, 助手 (00293530)
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Keywords | オピオイド / ラット / 脊髄損傷 / 膀胱内圧検査 / 脳梗塞 |
Research Abstract |
本研究の目的は中枢神経系における排尿制御機構におけるオピオイド受容体の関与を解明するとともに、脳梗塞および脊髄損傷のラットを用いて、各種オピオイド受容体作動薬および阻害薬がこれら神経障害に伴う神経因性膀胱の治療に応用可能か否かを検討することにある。本年度は安定した実験ラットの作成に殆どの労力を費やした。その結果膀胱内圧測定用のカテーテル留置翌日は膀胱刺激症状が強く、翌々日のほうが安定した内圧測定ができることが判明した。膀胱内圧測定用カテーテルからのプロスタグランジンE_2、NKA、カプサイシンの膀胱内投与により、すでに報告されているような排尿圧の増加、排尿量の低下、膀胱容量の低下など膀胱過活動状態となることを確認した。さらに脊髄くも膜下腔(L_6-S_1)にカテーテルを留置し、そこからニューロキニン1受容体の選択的遮断薬であるRP67,580を注入して排尿圧の減少を確認した。したがってほぼ安定した実験モデルの作成が達成されたと思われる。 現在は、定位脳手術装置による側脳室内への薬物注入用カテーテルの挿入と、左総頚動脈からナイロン糸を挿入することにより中大脳動脈領域を塞栓させた脳梗塞ラットの作成を試みているが、前者では脳室内への到達がいまだに不確実であること、後者では中大脳動脈領域を確実かつ選択的に塞栓させるためのナイロン糸の太さと深さを模索中である。今後各種オピオイド受容体作動薬および阻害薬の脊髄くも膜下腔内投与、側脳室内投与を開始する予定である。
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