1998 Fiscal Year Annual Research Report
固有腎摘による移植腎におけるFGS再発予防効果に関する基礎的研究
Project/Area Number |
10770792
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
樋口 彰宏 神戸大学, 医学部, 助手 (90294214)
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Keywords | FGS / 腎移植 / 再発性腎炎 |
Research Abstract |
生体腎移植予定のFGS患者の血清を収集中である.実験モデルと研究の目的は、FGS患者の固有腎摘前、固有腎摘後の血清をラットの尾静脈より注射し、尿蛋白および屠殺後のラットの腎を組織学的に検討することによって、ネフローゼ発症の有無から固有腎摘によるFGS再発予防効果を検討し、またネフローゼ発症に関与する液性因子を明らかにするものであるが、該当患者が平成10年6月から平成11年3月までに当院で1例しか発生していない.検体収集のため、FGS患者の生体腎移植を多く手掛けている東京都立清瀬小児病院泌尿器科、東邦大学腎臓学教室、藤田保険衛生大学泌尿器科に検体提供の協力を検討中である. 現在予備実験としてpuromycinを用いて作成したネフローゼラットに健康なラットの腎を移植し、尿蛋白と移植腎の変化を検討している.高度の蛋白尿を呈し、ネフローゼの再発か認められたラットにおいて、移植腎のminimal change様変化と尿中のIL-1 β高値が認められており、腎炎再発には液性因子としてIL-1 βか関与しているのではないかと推測している.この結果を踏まえ、FGS患者の固有腎摘前後の血清が集まり次第、実験モデルを作成する予定である.
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