1998 Fiscal Year Annual Research Report
担癌患者樹状細胞を用いた膀胱腫瘍特異的細胞障害性T細胞誘導の試み
Project/Area Number |
10770813
|
Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
内木場 拓史 日本医科大学, 医学部, 助手 (10287683)
|
Keywords | 樹状細胞 / 膀胱腫瘍 / BCGワクチン |
Research Abstract |
1. 平成10年度の研究実績の概要 (1) 樹状細胞分化誘導手技の確立 末梢血から得られた単球成分のうち接着性を有する細胞のみ選択し、サイトカイン(GM-CSF,IL-4)の存在下に培養したところ、7-10日までに、樹状突起を持つ大型細胞に変化した。 DABを用いた免疫染色において、それらの細胞は、成熟樹状細胞の表面マーカーであるCD83に陽性であり、また、HLA分子の発現も強力であったことから、強い抗原提示能を持つ樹状細胞であると同定された。 40mlの末梢血より、1-10×10^6個の樹状細胞が得られた。 (2) 膀胱腫瘍における樹状細胞の存在 膀胱腫瘍患者の尿中および、手術で得られた検体中における樹状細胞の存在を各種染色法を用いて検討した。 膀胱腫瘍患者の尿枕渣成分の染色(サイトスピン標本。免疫染色、HE、ライトギムザ、PAS染色)においては、好中球、マクロファージ、リンパ球、好酸球などが認められたが、樹状細胞と同定できる細胞は認められなかった。 また、腫瘍組織染色(凍結切片標本、免疫染色。パラフィン包埋標本、HE染色)においても、腫瘍内あるいは腫瘍近傍に樹状細胞の存在は認められなかった。 2. 平成11年度の検討項目 (1) BCG膀胱内注入後の尿中細胞成分変化の検討 (2) 腫瘍細胞と混合培養された樹状細胞のCTL誘導能力の検討 (3) 樹状細胞分化におけるBCGの影響 以上を検討し、膀胱腫瘍治療における樹状細胞の有用性を明らかにする予定である。
|