1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10770820
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
大山 則昭 秋田大学, 医学部, 助手 (20292378)
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Keywords | 癌転移 / 婦人科癌 |
Research Abstract |
今年度は、臨床的に婦人科癌特に卵巣癌のリンパ節転移の危険因子およびリンパ節転移の有無による予後の比較を行った。卵巣癌のリンパ節転移の危険因子としては、組織型(漿液性および類内膜腺癌)、進行期(III・IV期)、両側性卵巣腫瘍、腹水細胞診陽性および大網転移陽性などが挙げられた。また、卵巣癌III期においてリンパ節郭清が予後の改善に寄与することを明らかにした。さらに、4種類の婦人科癌細胞株を用い、gonadotropin releasing hormoneagonist(GnRHa)投与による、細胞増殖抑制効果を検討した。今回検討した4種類の癌細胞株にGnRHレセプターの存在を確認した。子宮類内膜腺癌および卵巣類内膜腺癌においてGnRHaによる細胞増殖抑制効果を確認し、GnRHaによる細胞増殖抑制効果には細胞選択性があることを明らかにした。さらに細胞内情報伝達系に関しprotein kinase C系が関与し、細胞内annexin Vが影響を与えていることを確認した。今後、GnRHaが癌細胞増殖抑制を示す症例を選択し治療に役立てたい。また現在、手術により摘出された婦人科癌の原発巣および転移巣を用い、vascular endothelial growth factor、anti-proliferating cell nuclear antigen、CD31などを用いた免疫染色を施行し、原発巣と転移巣における癌細胞の動態の相違を検討中である。 来年度より、血管内皮細胞を介した癌転移モデルを確立し臨床に活用していきたい。血管浸潤能アッセイ系を用い、婦人科癌患者の手術時に採取した癌組織における癌細胞浸潤能を確認する。さらに、患者追跡調査を行い、血管転移・リンパ節転移の有無および患者の予後との関連を検討する。癌細胞の血管浸潤アッセイ系を用いた結果から、転移能が高い癌の予知が可能であれば、癌治療に多大な効果が期待できると考えられる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 大山 則昭 他: "卵巣癌における後腹膜リンパ節転移の臨床的検討" 産科と婦人科. 66・3. 428-433 (1999)
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[Publications] Noriaki Ohyama et al.: "Effects of GnRHa or The Cell Growth of Ovarian and Endometrial Carinoma Cell Line" Ovarian Function Research : Present and Future. 発表予定.