1999 Fiscal Year Annual Research Report
卵巣癌におけるアクチビンのシグナル伝達に関する研究
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10770821
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
伊藤 郁朗 群馬大学, 医学部, 教務員 (50292595)
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Keywords | 上皮性卵巣癌 / アクチビンレセプター / Smad |
Research Abstract |
TGF-βやアクチビンのシグナル伝達においては、type Iレセプターとtype IIレセプターが複合体を作り、シグナル伝達を行う。また、細胞内においてはSmad蛋白がserine-threonine kinaseの下流でシグナル伝達物質として作用している。 今回の研究で、上皮性卵巣癌より確立されたcell lineであるOVCAR3とSKOV3のほかに正常卵巣上皮細胞(OSE)にもアクチビン/インヒビンサブユニット(α、βa、βb)およびアクチビンレセプター(Ia、IIa、IIb)が発現していることがRT-PCR法にて確認された。また、OCVAR3、SKOV3、OSEいずれにもアクチビンレセプターtype IIa、type IIbの蛋白が発現していた。type llaはいずれも80kDaの大きさであったが、type llbは、SKOV3とOSEでは50kDaであったが、OVCAR3では60kDaであった。 Smad2,4については、ともにOVCAR3、SKOV4にmRNAが発現していることがノーザンブロット法にて確認された。Smad2は、2.9Kbと4.0Kbのバンドが認められたがOVCAR3では、アクチビン50ng/mlの添加で2.9Kbのみ72時間後にcontrolの約2.5倍にまで増加した。Smad2の4.0KbおよびSmad4では変化は見られなかった。アクチビンのシグナル伝達においてSmad2は正のシグネル伝達に関与しているとされているが、特に、2.9Kbのバンドに認められるmRNAが関与している可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)