1998 Fiscal Year Annual Research Report
PTH-rpのヒト羊膜における産生調節と羊水中PTH-rpの生理的意義について
Project/Area Number |
10770861
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
盛本 太郎 昭和大学, 医学部, 助手 (40239695)
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Keywords | PTH-rp / サーファクタント / 胎児 / 羊膜 / 羊水 / 肺胞上皮細胞 / 肺成熟 |
Research Abstract |
1. ヒト羊膜培養細胞におけるPTH-rPのサイトカインによる発現調節について検討した。患者の同意のもとに羊膜を採取し羊膜細胞を分離培養し、IL-1β、IL-2、IL-6、IL-8及びforskolin、TPAを添加した。また羊膜細胞でのIL-1βの作用をさらに検討するためにIL-1 receptor antagonist(IL-1Ra)の添加も行った。PTH-rP蛋白の産生はImmunoradio metric assay(IRMA)法を用いて測定し、羊膜細胞でのPTH-rP mRNAの発現はNorthern blot法にて測定した。IL-1β、IL-6添加により、PTH-rP産生は濃度依存性に増加した。 一方、IL-2、IL-8添加では増加は認められなかった。IL-1β添加によるPTH-rP産生増加はIL-1Raの添加により抑制された。Forskolin、TPA(添加にてPTH-rP産生は有意に増加した。IL-1β、IL-6、forskolin、TPAの添加によりいずれもPTH-rP mRNAの発現は増強した。 2. PTH-rPによる肺胞上皮細胞の分化に対する影響について検討した。肺胞上皮細胞のモデルとしてネコ胎仔肺胞上皮細胞株AKDを用い,Surfactant protein(SP)-A、B mRNAの発現を肺胞上皮細胞の分化の指標とした。ネコSP-A、SP-B cDNA遺伝子配列は報告されていないため種族間で保存されているdegenerate primerを設計し、ネコ肺組織より抽出したRNAを用いRT-PCR法にてクローニングを行った。Northern blot法にてSP-A、SP-BmRNAの発現を検討したが発現は認められなかった。今後はSP-A、SP-B産生能のあるヒト肺胞上皮細胞株であるH441を用いて実験を進めていく予定である。
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