1998 Fiscal Year Annual Research Report
複合変調音による誘発電位の臨床応用に関する実験的研究周波数同調曲線の作成と感音難聴分類への応用
Project/Area Number |
10770868
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
鈴木 豊 山形大学, 医学部, 助手 (70250925)
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Keywords | 聴性定常反応 / 同時マスキング / 周波数同調曲線 |
Research Abstract |
(1) 刺激音の作成とデータ集録および計測器制御についての開発状況 ハードディスクレコーダを使用することで、刺激音の合成およびそのトリガー信号の位置変更が容易になり、より複雑な刺激系の作成が可能となった。データ集録についてはハードディスクレコーダの記録可能な周波数帯の限界よりDATレコーダを併用しているが、制御用のパーソナルコンピュータで起動できるアプリケーションを現在開発中である。 (2) 聴力正常ボランティアを対象にした複合振幅変調音による頭皮上電位の測定解析について まず2つの信号の合成音による刺激による誘発電位に対する影響を検討するため、単一の振幅変調音をブローブ音に、パースト音をマスカーとしてAMFRを記録し周波数同調曲線の作成が可能かを検討を試みた。マスキング方法は測定時間の問題よりsimultineousmaskingに限られたが、十分に聴力正常成人よりのAMFR反応閾値を使った周波数同調曲線の作成は可能であった。4kMHz以降の高音域においては変調周波数の違いによりAMFR反応閾値に有意差を生じた。これが単に変調周波数の違いで生じる蝸牛基底板の刺激範囲の違いによるものなのか(内耳内での影響)、変調周波数の違いが聴覚中枢内に異なる電位分布や活動するニューロンの数の違いをもたらすものなのか(内耳以降での影響)はさらに検討していく必要があると思われる。(内容の一部は平成10年度の日本聴覚医学会および国際聴覚医学会で発表した.)さらに聴覚障害を伴う被験者への応用が可能かどうか検討していく予定である。 (3) 実験動物のモデル作成の準備 モルモット固定用の器具の一部の輸入が遅れており、刺激系とデータ集録のための機材を設定するにとどまっている。
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