1998 Fiscal Year Annual Research Report
モルモット嗅上皮分裂細胞の動態(嗅細胞の分化成熟と細胞死の関連について)
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10770876
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
川崎 克 新潟大学, 医学部附属病院, 助手 (90293224)
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Keywords | Bromodeoxyuridine / active zone / quiescent zone / olfactory epithelium |
Research Abstract |
(目的) 嗅細胞の再生母細胞は基底細胞の一層上にある分裂細胞とされており、嗅上皮内には分裂細胞が多数集積しているいわゆるactive zoneとほとんど分裂期の細胞のみられないquiescent zoneが存在する。これは多くの嗅細胞が細胞死を迎えているzoneと嗅細胞が成熟期に入っているzoneがあるためと考えられる。ところで恒常的に嗅細胞数を維持するにはこれらのzoneは常に変動すると考えられる。今回zoneの動向をBromodeoxyuridine (BrdU)の反復投与により、免疫組織化学染色的手技を用いて経時的に観察した。 (材料および方法) 実験には体重約850gの生後約4ヵ月の成熟モルモットを用いた。分裂期の細胞の標識のため、BrdU 80mg/kgを初回と断頭1時間前の2回、腹腔内に反復投与した。BrdU初回投与後それぞれ5,14,28日後に鼻中隔後上部より嗅上皮を採取した。嗅上皮はパラフィン包埋し、5μm切片を作製、SABC法によりBrdUに対する免疫組織化学的染色を行った。基底細胞直上のactive zoneと嗅上皮中間層にBrdU陽性細胞が存在する領域を比較し重複率を求め、zoneの変動を検討した。 (結果および考察) BrdU初回投与5日後の嗅覚上皮ではzoneの重複率は平均48.6%であったが、BrdU初回投与14,28日後の嗅上皮ではぞれぞれ29.3%,22.9%となった。以上の結果からactive zoneは嗅細胞の恒常性のために徐々に変動していることが考えられた。
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Research Products
(1 results)