1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10770894
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Research Institution | 大分医科大学 |
Principal Investigator |
植山 朋代 大分医科大学, 医学部, 助手 (40295184)
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Keywords | 滲出性中耳炎 / サイトカイン |
Research Abstract |
滲出性中耳炎における中耳貯留液よりさまざまなサイト力インが検出されることはすでに報告されているが、細菌のLPSを用いた滲出性中耳炎の実験的動物モデルにおいても貯留液中にTNFが検出されている。 TNFはmonocyteをLPSで刺激する事により分泌されるサイトカインであるが、高濃度のLPS下では分泌が抑制されることが知られている。 今回滲出性中耳炎患者より採取した中耳貯留液を遠心分離により細胞成分を分離し、培養液を用いて洗浄し、negative controlを含めた数種類の濃度のLPSを用いて刺激し、上清中のTNFをELISA法により、また細胞成分中のTNFのmRNAをRT-PCR法により測定したところ、高濃度のLPS刺激下ではTNFの産生が抑制されていることが分かった。この結果より、滲出性中耳炎患者貯留液中の細胞成分にTNF産生に対する耐性が生じていることが判明した。 以上の現象をin vitroで検証するためにマウス滲出性中耳炎モデルを作製した。マウスの中耳骨胞にLPSを注入すると中耳炎を発症することが知られているが、それは急性中耳炎であり、貯留液を含む急性炎症症状は数日で消退する。今回我々は耳管を結紮する事により貯留液を中耳に長期滞在させることに成功したので、同モデルを用いて中耳貯留液中の細胞成分におけるTNF産生について、その耐性化機構を解明していきたい。
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