1998 Fiscal Year Annual Research Report
鼻腔原発リンパ腫における細胞間接着分子の発現の検討
Project/Area Number |
10770904
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
馬越 智浩 北里大学, 医学部, 講師 (30229348)
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Keywords | 鼻腔原発リンパ腫 / 細胞間接着分子 / E-カドヘリン |
Research Abstract |
上皮細胞以外でE-Cadherin(E-Cad)を発現している細胞はランゲルハンス細胞とγδ型のT細胞受容体を有するTリンパ球の亜群であり、表皮内では扁平上皮細胞とE-Cadを介して接着し、局所の免疫応答に関与していることが最近報告された。鼻腔原発リンパ腫は多くの場合γδ型のT細胞受容体を有しているが、これまでE-Cadとの相互関係を検討した報告はない。北里大学病院耳鼻咽喉科で治療した鼻腔原発リンパ腫のホルマリン固定・パラフィン包埋切片を用い、特異的抗体を用いて免疫組織化学的方法で検討した。これまで、細胞間接着分子の発現は主に凍結切片を用いて行われ、ホルマリン固定・パラフィン包埋切片での染色は困難であった。しかしながら、我々は、オートクレーブと界面活性剤を併用することにより、ホルマリン固定・パラフィン包埋切片でも安定してE-Cadを検出することができた。我々は鼻腔リンパ腫において6例中1例にE-Cadの発現を確認した。鼻腔原発リンパ腫において、E-Cadの発現と臨床経過との間に何らかの関連性のあることが予想される。しかし、症例数が少なくこれらの検討は難しい。鼻腔原発リンパ腫における特徴たとえば、上皮との親和性の検討やリンパ球のマーカー等を用いた二重染色法を用いることにより、腫瘍細胞におけるE-Cad発現細胞の割合、分布等を明らかにする。また、同方法を用いてE-Cad以外の細胞間接着分子(N-Cadherin,P-Cadherin)の検討もする。今後、症例数が増やして検討しこれら細胞間接着分子の発現と臨床経過や予後との関係を明らかにする。
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