1998 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病網膜症におけるグリケーション後期反応産物(AGEs)に関する研究
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10770947
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
澤 浩 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (20264773)
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Keywords | AGE / 糖尿病網膜症 / 網膜組織 / 硝子体 / マイクロシリンジ / トルイジンブルー染色 |
Research Abstract |
高血糖下で高度にAGE化された病的硝子体が糖尿病網膜症進行に大きく関与している可能性が示唆されている。本研究の目的は、明らかにされつつある種々のAGEsの作用を、網膜組織レベルで調べることにある。まず基礎実験として、Normal ratを用いてbovine serum albumin(BSA)とAGEをインキュベートして作成した50mg/mlAGEs-BSAを直接硝子体腔内に6μl注入し、その後の網膜血管の変化を観察した。注入には試行錯誤の結果マイクロシリンジを用いることにした。実験を繰り返したが、一回の投与では糖尿病性の変化は検眼鏡的、蛍光眼底造影でも観察されなかった。持続的な高濃度のAGEsが硝子体中に必要と判断し、3日毎に硝子体注入を施行した。各ラットにつき約3週間程度注入を続けた。注入毎に観察したが糖尿病性の変化は検眼鏡的、蛍光眼底造影でも観察できなかった。繰り返し投与は組織侵襲も大きく、投与方法の変更の必要性を痛感した。今後は硝子体内にAGEsを含んだマイクロスフェアーを強膜創から注入し持続的にAGEsを放出する方法も試みようと考えている。組織学的検討として眼球摘出を行い2.5%グルタールアルデヒド含有0.1Mリン酸緩衝液にて眼球を浸漬固定した。網膜部位を切り出し、一部はプラスチック包埋(JB-4)後、約1μmの切片とし、トルイジンブルー染色を施した。組織的には明らかな糖尿病性変化は観察できなかったが網膜浮腫などの異常を示す所見が認められた。今後は今までの手法を駆使して、糖尿病ラットを用いた実験系を予定している。
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