1998 Fiscal Year Annual Research Report
微小血管外科手術後の内視鏡下血行モニタリング法の基礎的研究
Project/Area Number |
10770982
|
Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
矢高 森人 東邦大学, 医学部, 助手 (70301554)
|
Keywords | 微小血管外科 / マイクロサーシャリー / 内視鏡 / 血管吻合 / モニタリング |
Research Abstract |
【目的】 微小血管吻合部開存状態を確認する内視鏡下血行モニタリング法を動物実験により検討した。 【材料および方法】 実験動物:雄ルイス系ラット(200〜250g) 血流測定装置:レーザードップラー血流計、先端プローブ 接触型(2.0mm径)、非接触型(2.2mm、3.2mm径) 内視鏡:血管内視鏡(0.5mm径)、多目的ファイバースコープ(2.8mm径) 実験1:大腿動静脈を剥離し接触型・非接触型プローブを留置、経時内視鏡挿入(閉創後2・4・6時間)による鏡視下血流測定を行った。 実験2:大腿動静脈クランプによる虚血・鬱血モデルを作成、鏡視下血流測定を行った。 実験3:大腿動静脈を切断後顕微鏡下に吻合し閉創、経時内視鏡挿入(閉創後2・4・6時間)による吻合部観察、鏡視下血流測定を行った。 【結果】 実験1:接触型、非接触型いずれにおいても鏡視下持続血流測定は可能であった。接触型では体動によるノイズが多く、体動や口径差により、動静脈いずれの血行をモニタしているか判然としない場合があった。内視鏡解像度は大口径ほど優れていた。 実験2:血管クランプによりいずれも数秒以内に血流値が低下、クランプ解除後は同様に数秒以内に前値へと復帰した。また本計測は再現性に優れていた。 実験3:2.8mm径内視鏡下に吻合部は明瞭に観察され、非接触型プローブによる血流測定が可能であった。しかし、血餅等の付着により鏡視像は経時的に劣化し、ヘパリン加生食水による洗浄、吸引が必要であった。
|