1999 Fiscal Year Annual Research Report
創傷治癒、皮膚悪性腫瘍におけるBasonuclinの関与
Project/Area Number |
10770984
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
松崎 恭一 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (20278013)
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Keywords | Basonuclin / 表皮細胞 / 創傷治癒 / Zinc finger / transcription factor / 増殖 / 分化 |
Research Abstract |
Zinc finger proteinであるBasonuclinは、表皮のstem cellが存在するといわれている表皮基底細胞に存在することから、表皮細胞の増殖と分化に深く関与していると考えられている。ヒト組織でのみ研究が行われてきたBasonuclinが、創傷治癒にどのように関与しているかを本研究ではラットによる実験モデルで検討した。 ラット背部に3×3cmの筋膜にいたる皮膚欠損創を作製した.皮膚欠損創はワゼリンガーゼで被覆し、その後健常部を含め皮膚欠損創を経時的に採取した。採取した検体はO.C.T.Compoundに入れ急速凍結した。凍結した検体を6μmに薄切後、アセトン:メタノールで固定した。固定した切片にrabbit polyclonal antibody to human Basonuclinを加えインキュベーションした。次いでbiotinylated goat antiserum to rabbit IgGとstreptavidin-Cy3を加え免疫染色した。また、DNAはHoechst33258で染色した。標本の観察は螢光顕微鏡を用いて行った。 結果は正常皮膚と創縁皮膚との間でBasonuclinの局在に明らかな相違は認められなかった。今回の研究は光顕レベルによる検討であったが、今後は分子生物学手法も取り入れて検討してみたい。また、皮膚の創傷治癒は主に創の収縮と上皮化によって行われるが、Basonuclinは表皮の基底細胞とその直上の細胞で見られることから、創収縮の影響のない角膜潰瘍モデルを用いることによって創傷治癒の中でも特に上皮化への関与に焦点を絞り検討してみたい。
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