1999 Fiscal Year Annual Research Report
口腔組織(歯,舌,唾液腺)発生におけるサチライシン様プロ蛋白質変換酵素の役割
Project/Area Number |
10771013
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
赤松 徹也 徳島大学, 歯学部, 助手 (80294700)
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Keywords | サチライシン様プロ蛋白質変換酵素 / プロセシング / 口腔組織 / 発生 / 歯牙形成 / 骨形成蛋白質 / 唾液腺 / 分枝形成 |
Research Abstract |
口腔組織の形態形成及び機能発現におけるサチライシン様プロ蛋白質変換酵素SPCの生理機能解明のため,歯・唾液腺の発生・分化過程でのSPCの発現をin situ hybridization,RT-PCR等により解析した.歯の発生においては正しい時期に正しい場所でSPCファミリーの1つ,SPC4が発現し,骨形成蛋白質BMPsの発現パターンとよく一致していた.BMPsは歯牙形成において重要な役割を果たすことが分子レベルで解明されており,SPCの認識配列であるRXXR部位でプロセシングされて初めて活性化されることから,SPC4はBMPsの活性化を介して歯の形成と密接に関わると考えられた(Akamatsu et al.1999).このSPC4の発現はエナメル芽細胞と象牙芽細胞の成熟化に応じて高度に制御されているのに対して,他のSPCファミリーは発生過程とは無関係にほぼ一定レベルで発現することから,SPC4が歯牙形成時の最も有力なBMPsのプロセシング酵素であると考えられる(投稿中).一方,唾液腺の発生過程でもSPC4は胎生15日の唾液腺原基の上皮-間葉両組織で発現するが,胎生17日では唾液腺上皮に限局して発現し,間葉組織での発現は認められなかった.分枝形成が進むと,本酵素は主として腺房細胞に発現し,生後特定の細胞に強く発現する傾向が見られた.このSPC4の発現も唾液腺成熟化過程で高度な,又,歯牙形成時とは異なる調節を受けているが,他のSPCではこの様な発現調節は見られなかった(解析中).本研究によりSPC4は上皮-間葉相互作用に関与する因子の活性化を介して口腔組織発生に重要な役割を果たし,その発現は組織・細胞特異的に複雑な調節を受けていると考えられる.
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Research Products
(1 results)