1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10771096
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
黒澤 正雄 岩手医科大学, 歯学部, 助手 (10285637)
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Keywords | サイコレオロジカル / 食品テクスチャー / 咀嚼 |
Research Abstract |
従来より咀嚼機能評価法として、ピーナッツ粉砕能、咀嚼運動経路や咀嚼筋筋電図の分析による評価が行なわれているものの、大半が均一食品(ガムなど)の断片的な分析がほとんどで、食塊形成から嚥下に至る咀嚼運動が適切に評価されているとはいえない.さらに、高齢者においては歯の欠損のほか、口腔環境の変化として口渇などを訴えるケースも多く、単一のテクスチャーのみで咀嚼機能を評価するのは不適当であると考えられる.そこで高齢者の咀嚼機能を評価するにあたっては、口腔環境の違いに及ぼず食品テクスチャーの影響を考慮にいれて生理量と心理量両面から総合的に評価する必要性がある.そこで本研究は食品テクスチャーを代表する食品を被験食品として用い、咀嚼開始から嚥下までの一連の咀嚼運動を運動学的ならびに筋電図学的に分析を行い、高齢者の口腔環境の違いによる咀嚼運動をサイコレオロジカルに評価することである. 初年度は食品テクスチャーアンケート表の確立と被験食品の選定を行った.摂取可能食品アンケートは、吉川ら(1978)のテクスチャーの数量化したパターンを参考に硬さ・凝集性・破砕性・粘着性・弾性のパラメータを考慮した40品目を選択、これを室根村75歳以上の全村民を対象とした口腔健康に関するアンケート調査の中で実施した.この集計結果から高齢者の咀嚼機能は義歯の良否、咬合支持域数および全身状態とあわせてテクスチャーの違いによる影響が認められた.そこで分析結果より被験食品を8品目選択した.今後は心理量について検討し、最終的な被験食品を決定し、被験食品をランダムな順序で咀嚼させ咀嚼運動機能評価を行う予定である.
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