1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10771097
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Research Institution | Ohu University |
Principal Investigator |
加藤 謙一 奥羽大学, 歯学部・歯科理工学, 助手 (50275624)
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Keywords | Ti-Zr合金 / Ti / 耐蝕性 / 接着性 / 接着耐久性 / 硬質レジン |
Research Abstract |
純チタニウム(以下、Ti)は生体親和性や耐蝕性に優れるなど、生体修復用材料として有望な金属であるが、純金属のままでは軟らかく、機械的性質の面からは十分であるとはいえず、歯科臨床においてその応用範囲が限られてくる。 そこで、Tiと同族で類似した性質を有するジルコニウム(以下、Zr)を、Tiに添加し、生体親和性や耐蝕性を劣化することなく、機械的性質にも満足できる合金を開発し、広く臨床応用することを目的にしている。特に本研究においては、前装クラウンへの応用を目的として、Ti-Zr合金(以下、Ti-Zr)の耐蝕性、硬質レジンとの接着性および接着性耐久性について検討するものである。 10年度は、耐蝕性について、1%NaCl、0.05%HCl、およびl%乳酸のそれぞれの溶液に、サンドプラスト処理後鏡面研磨を施した板状の鋳造体を12か月間浸漬し、ICP発光分光分析装置(JW170、理学電気社)を用いて、TiおよびZrイオンの定量分析を行った。その結果、Ti-ZrからのZrイオンの溶出は、ほとんどみられなかった。Tiイオンの溶出量も、Ti単体からの溶出量と比較して非常に少なく、Tiとzrを合金化することによって、Ti単体よりも良好な耐蝕性を示した。 11年度は、Ti-Zrに各種前装用硬質レジンを接着性プライマーを介して接着させ、剪断試験を行うことによって、Tiと硬質レジンとの接着強さと比較検討する予定である。
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