1998 Fiscal Year Annual Research Report
キャスタブル・セラミックス・クラウンの強度に内面性状と合着セメントの弾性が及ぼす影響
Project/Area Number |
10771103
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
村田 容子 日本歯科大学, 新潟歯学部, 助手 (00297962)
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Keywords | キャスタブル・セラミックス / OCC / 埋没材 / 鋳型温度 / 表面粗さ |
Research Abstract |
埋没材の種類と鋳型温度がOCCの表面性状に及ぼす影響を検討した.1) 因子と水準 因子A:埋没材の種類3種類 埋蔵どん(トクヤマ) ユニペストフリー(松風) CDインベストメント(松風) 因子B:鋳造時の鋳型温度3種類 500℃ 550℃ 575℃ 2) 試料の作製 (1) ワックスパターン パラフィンワックス(GC)で作製した10×10×2mmの板状試料にφ2mmのスプルーワックスを付与したものを用いた. (2) ワックスパターンの埋没 クルーシブルフォーマーに試料を3枚づつ植立し,それぞれ下記の割合で計量し,真空練和,大気埋没を行った. 埋蔵どんl00gに対してプルーベスト専用液(トクヤマ)20mlユニベストフリー粉100gに対して専用液11ml,水6ml CDインペストメント粉100gに対して専用液10.2ml,水6.8ml (3) ワックス焼却 埋没後室温で2時間以上静置したのち室温より800℃まで30分で昇温,1時間係留,その後それぞれの温度まで降温し,1時間係留した. (4) 鋳造 鋳造にはOCC専用鋳造機(オリンパス光学工業CM-101)を用いてメーカー指示に従い鋳造した. (5) 結晶化熱処理 室温まで徐冷した鋳型から,OCC試料を注意深く掘り出し,OCC専用ガラスビーズを用いて表面の埋没材を除去し-10分間超音波洗浄してOCC専用セラミングファーネス(オリンパス光学工業RC-101)を用いて結晶化熱処理を施した. 3) 測定 表面粗さ・輪郭形状測定器SEF-3400(小坂研究所)を用い,1枚の試料につき任意の5ヶ所測定し,その平均値をその試料の平均粗さ(Ra)あるいは最大高さ(Rmax)のデータとした. 4) 結果 各試料の平均粗さ(Ra)は埋蔵どんの500℃で2.37μm,550℃で2.84μm,575℃で2.54μmユニベストフリーの500℃で2.89μm,550℃で3.10μm,575℃で3.61μm.CDインペストメントの500℃で2.12μm,550℃で2.30μm,575℃で2.59μmであり,最大高さの平均(Rmax)は埋蔵どんの500℃で46.72μm,550℃で69.19μm,575℃で38.72μm.ユニペストフリーの500℃で54.15μm,550℃で47.34μm,575℃で55.18μm.CDインペストメントの500℃で37.39μm,550℃で50.50μm,575℃で45.42μmであった.この結果,埋没材の種類によってRaはユニベストフリー,埋蔵どん,CDインペストメントの順各に小さく,またユニペストフリー,CDインペストメントでは鋳型温度が高くなるほどRaが大きくなる傾向を示した. 今後は以上の結果がセラミックスの強度にどのような影響を及ぼしているのかを評価していく.
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