1998 Fiscal Year Annual Research Report
有床義歯の咬合接触様式と顎堤形態が義歯安定性に及ぼす影響
Project/Area Number |
10771104
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
島田 賀子 日本歯科大学, 新潟歯学部, 助手 (30267249)
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Keywords | 咬合接触様式 / リンガライズドオクルージョン |
Research Abstract |
咬合接触様式が,有床義歯の安定性にどのように影響を及ぼすかを明らかにすることを目的に,咬合接触様式と,顎堤の吸収程度の異なる顎堤模型を製作し,義歯の挙動を比較,検討する.実験用義歯は床下粘膜相当部の粘膜表面をシリコーンラバーで置換した疑似粘膜の上で製作し,また咬合接触様式の違いにより,解剖学的人工歯を使用しフルバランスド・オクルージョンとリンガライズド・オクルージョンを付与した実験用義歯と,リンガライズド・オクルージョン用ブレードティースを使用しリンガライズド・オクルージョンを付与した実験用義歯を各々製作し、またそれぞれに下顎顎堤の吸収度合いにより矢状面から見て,カンベル平面に対し前方部が著明に吸収している前方離開型,後方部が著明に吸収している後方離開型,平行またはそれに準ずる平行型の3タイプの顎堤模型を用意した.その際の義歯の挙動は,当教室既設のインストロン型精密万能試験機を用い,等速過重にて上顎義歯を中心咬合位の位置まで咬合させたときの下顎義歯の挙動を,下顎の顎堤模型の平衡側,作業側,前歯部の3カ所に設置したポジションセンサーの光源を2台のCCDカメラにて3次元的に計測することで評価した.いずれの咬合接触様式においても空口時での咬合調整を十分に行うことによって,早期接触部あるいは干渉部を削除した. 測定にあたり,食品を介在させない状態での義歯の挙動を観察した結果,顎堤の条件の違いによる床下粘膜の過重負担には,人工歯咬合面形態の影響はほとんど認められなかった.下顎義歯に等速過重を加えた場合の下顎義歯床下粘膜の過重負担は,いずれの義歯においても,過重が加わった瞬間,過重は左右臼歯部および前歯部床下粘膜に配分された.今後はニンジン,カマボコ,タクアン,ピーナッツの4種類の被験食品を介在させ,食品介在時の義歯の安定性を比較検討するとともに,顎堤の吸収状態に応じた咬合接触様式,咬合面形態を明らかにしていく予定である.
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