1999 Fiscal Year Annual Research Report
MR画像における下顎頭動態の三次元座標基準平面の決定法に関する研究
Project/Area Number |
10771106
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
亀井 秀 鶴見大学, 歯学部, 助手 (00277948)
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Keywords | 顎運動 / MR画像 / CT画像 |
Research Abstract |
本研究の最終的な目標は、基準点を用いて三次元座標を設定することにより、下顎頭の正確な三次元座標値を算出し、健常者および顎関節症患者の顎運動を計測することにある。現在のところ目標としていたMR画像では、画像上での材質、形態、大きさは決定したものの、基準点の位置的確認、座標値の決定においては満足のいく精度が得られていない。この問題については、MR画像が持っている画像の性状そのものが原因となっている可能性が考えられるので、現在も検討中である。一方、MR画像の対象として選択したCT画像では、X線不透過性マーカーを基準点に設定することにより、下顎頭動態の計測法が確立された。そこで平成11年度は、CT画像上で、一般的に下顎頭動態の計測点に用いられる顆頭点の位置的検討を行った。計測した顆頭点としては6自由度顎運動測定器により算出した運動論的顆頭点の全運動軸点、蝶番運動軸点、更に解剖学的顆頭点として平均的顆頭点、そして、CT画像より計測した顆頭点の4点である。すなわち、実際に存在する解剖学的顆頭点と実際には存在しない運動論的顆頭点を座標値として表現し比較を行った。その結果、CT画像上で計測した顆頭点が他の3点に比べて逸脱した位置に存在する顎関節症の症例が認められた。またこれら顆頭点の座標値を6自由度顎運動測定器に代入し、1回開口運動時のそれぞれの顆頭点の動きを検討したところ、CT画像上で計測した顎頭点が最も関節結節の形態に類似した滑走経路を示した。すなわち、これまでに様々な顆頭点で顎運動検査が行われてきたが、顎関節症症例においては顎運動検査における顆頭点がいまだ明確にされていない症例群があるのではないかと考えられた。今後、症例を増やしてさらに検討を加える所存である。
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