1999 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌に対するtumor dormancy therapy の開発
Project/Area Number |
10771127
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小倉 孝文 大阪大学, 歯学部・付属病院, 助手 (90233494)
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Keywords | 口腔癌 / tumor dormancy therapy |
Research Abstract |
平成11年度は、前年度に引き続きヒト扁平上皮癌細胞株(SCCKN,SCCTF,SCCYO,SCCHT,SCCNI)とその薬剤耐性細胞(SCCKN-B9,SCCTF-R)をヌードマウスに移植してin vivo モデルを作成し、各種抗腫瘍剤と抗血管新生剤との併用に関する検索を行った。抗血管新生剤としては、VEGF Ab (血管内皮細胞増殖因子中和抗体)を用い、前年度腹腔内とした投与方法を今回は腫瘍周辺の局所投与とした。BLM(10μg/g),ADR(0.5μg/g),MMC(0.3μg/g),CDDP(5.0μg/g),5-FU(1.0μg/g),MTX(2.0μg/g),VCR(0.05μg/g)を週3回、3週間にわたり腹腔内投与し、VEGF Ab(200μg/g)を局所投与とした。その結果、VEGF Ab単独による抗腫瘍効果は有為さはなかったものの、局所投与のほうが腹腔内投与よりも腫瘍抑制率が10%あまり優っていた。同様にVEGF Ab局所投与を併用したBLM,MMC,CDDP,5-FU,VCRは単独群よりも8.5%〜25%抗腫瘍効果が優っていた。またVEGF Ab は親株ならびにBLM耐性株に対しても同等の効果が認められた。In vitro の検索においてVEGF Ab(200μg/ml)では癌細胞に対する直接作用は認められなかった。組織学検索においてはVEGF Ab投与群において著明な細血管の現象が観察された。以上のようにVEGF Ab と従来の抗癌剤を併用することにより抗腫瘍効果が向上し、薬剤耐性細胞にもある程度の効果があることが確認できたが、そのメカニズムとより効果的な併用法については検討の余地を残した。
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