1999 Fiscal Year Annual Research Report
創傷治癒過程でのメタロチオネインの発現とその役割についての検討
Project/Area Number |
10771131
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
太田 洋 岡山大学, 歯学部, 助手 (10243479)
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Keywords | 創傷治癒 / メタロチオネイン |
Research Abstract |
我々は、マウス背部組織に開放創を形成し、経時的に観察することにより創縁部組織に限局したメタロチネイン(MT)遺伝子の発現を確認し、MTが創縁部の亜鉛の集積に一役を担っていること、そしてMTそのものも、上皮組織の増殖や再生に関与している可能性があることを確認してきた。 本研究では、実際にMTが創縁部組織へ亜鉛を供給しているのか、また上皮組織の増殖や再生にかかわっているのかを実証することを目的とした。 正常ヒト表皮角化細胞を用いて、所定の培養条件で培養し、増殖曲線を描記後、対数増殖期と定状期のそれぞれの状態で細胞を採取した。それぞれの細胞に対してWestern blotting法によるMT蛋白の検討と、Northern blotting法によるMT遺伝子発現量の検討を行った。 その結果、対数増殖期は定状期と比較して、MT蛋白が多量に産生されていること、MT遺伝子の発現量も増加していることを確認した。 また、メタロチオネインノックアウトマウスの背部に傷をつけ、その治癒過程を抗体で染色し観察することにより、知見を得る予定であった。メタロチオネインノックアウトマウスを繁殖させるまで実験を行う事ができたため、当研究施設においてもメタロチオネインノックアウトマウスの繁殖は十分に可能であることが確認できた。 以上より、本研究において上皮組織、特に上皮細胞の増殖や再生にMTが直接関与している事が確認できた。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] M.Iwata, T.Takebayashi, H.Chra, R.E.Alcalde, Y.Itano, T.Matsumura: "Zinc accumulation and metallothionein gene expression in the proliferating epidermis during wound healing in mouse skin"Histochemistry and Cell Biology. 112. 283-290 (1999)