1998 Fiscal Year Annual Research Report
創傷治癒過程でのメタロチオネインの発現とその役割についての検討
Project/Area Number |
10771131
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
太田 洋 岡山大学, 歯学部, 助手 (10243479)
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Keywords | 表皮角化細胞 / メタロチオネイン / 亜鉛 |
Research Abstract |
正常ヒト表皮角化細胞(Epiderce11)を用い,表皮角化細胞増殖用無血清培地(Humedia-KG2)中で,37℃,5%CO2気相下にて培養した。増殖曲線を描記後,対数増殖期と静止期のそれぞれの状態で細胞を採取し,以下の検討を行った。 1. メタロチオネイン(MT)蛋白の発現についての検討 免疫組織化学染色法により行った。静止期の細胞に比較して対数増殖期の細胞にMT陽性細胞が多く認められた。全細胞に対するMT陽性細胞率は静止期に比較して対数増殖期で有意に増加していた。 2. MT遺伝子の発現についての検討 ノーザンブロット法により行った。MT-IおよびMT-IIの各アイソフォームとも静止期に比較して対数増殖期にMT mRNAの増加が認められ,遺伝子レベルでも同様の結果が得られた。 3. 細胞内亜鉛濃度の測定 細胞内亜鉛濃度は静止期に比較して対数増殖期に有意に増加していた。 以上のことから,In vitroにおいても,MTが上皮角化細胞の増殖と細胞内の亜鉛の取り込みに深く関与していることが示唆された。
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