1998 Fiscal Year Annual Research Report
鎮静剤が味覚刺激に及ぼす影響-苦味刺激を中心にして-
Project/Area Number |
10771133
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
江口 覚 徳島大学, 歯学部付属病院, 助手 (20263866)
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Keywords | 味覚 / 苦味 / ろ紙ディスク法 |
Research Abstract |
味覚閾値の測定方法の検討。味覚閾値の測定方法の検討。味覚閾値の測定方法でははろ紙ディスク法が簡易であり臨床でも広く用いられている。ろ紙を用いるため実際の測定でも測定部位を限定し精度の高い測定が可能であった。特に舌後方部や軟口蓋といった口腔内後方でも目的とする部位での測定が可能であった。また,リック法はスプーンを用いて試薬を含むため口腔内全体の味覚閾値を測定できるが、部位別の測定は困難である。そのため口腔内の各所に味覚刺激試薬の滴下方法を試みた。この方法は滴下を調整することで試薬量を任意に設定できるものの、口腔内では試薬が流動しやすかった。そのため試薬量などさらに検討が必要である。測定時の試薬量は味覚刺激の強度に関連するとの報告がある。ろ紙ディスク法では試薬の量に差が見られたため、測定に用いる試薬量についての検討が必要と考えられる。また測定には苦味刺激の塩酸キニーネ、酸味刺激の酒石酸を試薬として用いた。 口腔内の局所麻酔薬のキシロカインは浸潤麻酔時に口腔内に漏れるとしばし不快な苦味刺激となる。そのためキシロカインについて苦味刺激の試料として検討を試みた。測定はろ紙ディスク法で行った。キシロカイン溶液は舌表面で苦味刺激をともなうが測定にはその麻酔作用が問題となると考えられた。味覚の刺激を評価するには苦味刺激と麻酔による麻痺感覚を区別して評価する必要があり、また麻酔作用が持続するため同じ部位での測定には麻酔作用が消失するまでの間隔を空ける必要があった。こうした点から味覚刺激に用いた酒石酸、塩酸キニーネなどの試料と同様の測定・評価方法では味覚刺激の評価は困難であり、他の評価方法の検討が必要である。今後の計画。キシロカインの味覚刺激試料としての測定方法を検討し、鎖静による味覚閾値への影響に打ついて検討する。
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