1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10771159
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
松尾 直子 愛知学院大学, 歯学部, 助手 (30301633)
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Keywords | 咬合 / 身体症状 |
Research Abstract |
従来より、歯科領域においては咬合は非常に重要視されてきた。近年顎関節症が、増加する傾向にあり、その症状が全身症状におよぼす影響がささやかれるようになり、咬合が全身に与える影響を注目するようになってきた。当教室では、高度な不正咬合を有する手術適応の下顎前突症患者に姿勢異常、脊柱変化、肩こり、腰痛といった身体症状が多く出現することに早くから着目し、咬合がこういった全身症状にあたえる影響について、アンケート,脊柱状態の評価などを確立、研究を進めてきた。また、短期間に顔貌の変化をきたす下顎前突症の手術前後の患者の心理面についても、研究を行っており、手術適応の下顎前突症患者においては、心理的因子から姿勢異常をきたす可能性も示唆された。 咬合が全身症状におよぼす影響を総合的に判断するうえで、手術適応ではないボランティアの咬合状態と身体症状,脊柱状態の相関関係について検討し、現在まで行ってきた下顎前突症患者との比較を行うこととした。ボランティアの検診に際して地元の高校生を対象としたため、学校の事情により、検診を新学期の歯科など各種検診と統一して欲しいとの要望があり、本年度はこれらの計画、学校歯科医との打ち合わせ、資料採取に伴うハード機器の充実に務めた。同時に下顎前突症患者の手術前後の心理的変化と身体症状,脊柱状態の変化についても従来より行っている方法で、身体症状に、咬合あるいは顔貌形態に対する心理的因子がどのように関与しているかの資料を採取している。しかし、近年手術適応となる顎変形症も著しい左右非対称が増加している傾向にある。手術の動機に全身症状の改善をあげるものがあった。これら要素を付け加えたチャートの作成が必要であった。また筋電図の評価については術直前、術後ではさほど著明な変化が見られず、術前矯正前の状態と術後の比較に変更することにした。
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