1998 Fiscal Year Annual Research Report
ポルフィロモナス・ジンジバリスのアルギニンカルボキシペプチダーゼの病原性について
Project/Area Number |
10771186
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
増田 かなめ 徳島大学, 歯学部, 助手 (30243710)
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Keywords | 歯周病原性細菌 / Prophyromonas gingivalis / アルギニンカルボキシペプチダーゼ / 歯周病 |
Research Abstract |
本年度は、歯周病原性細菌のPorphyromonas gingivalisの産生するアルギニンカルボキシペプチダーゼを菌体より抽出し、陰イオン交換及びゲルろ過HPLCにて、分離・精製を行った。精製された酵素は、ゲルろ過では、分子量が約35kDaで、SDS-PAGEでは、42,33と32kDaの3つの主なバンドが見られた。それぞれのN末端アミノ酸シークエンスを調べた結果、YEWNAYPTYEAYISMMEEFQTKYPSLXTXSであることが明らかとなり、30残基まで全て、同一であった。本酵素の酵素学的性質について調べたところ、C末端側のアルギニン以外に、リジンも切断できることが明らかとなった。Km値はリジンの方が小さく、基質親和性がより高いことがわかった。また酵素活性はCu^<2+>,Zn^<2+>とCd^<2+>により阻害され、o-phenanthrollinやEGTAによっても阻害された。一方、Co^<2+>により活性が上昇され、すでに報告されている哺乳動物由来のカルボキシペプチダーゼの性質と類似していたが、それぞれのN末端アミノ酸シークエンスに相同性は認められなかった。 本酵素は、ペブチドの内部にアルギニンを有するタンパク質を分解することができなかった。しかし、本菌はトリプシン様酵素を産生するため、先ずタンパク質中のアルギニンのカルボキシル基側で切断し、その後、本酵素が作用して、アルギニンを遊離させることにより生育のエネルギー獲得に利用されると考えられる。本菌の増殖は、歯周病原性を示すと考えられる様々な生理活性の発現に重要であると考えている。
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