1998 Fiscal Year Annual Research Report
歯科診療室における小児患者の視知覚分析-両眼眼球運動測定による奥行き知覚の分析-
Project/Area Number |
10771201
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
小林 雅之 日本歯科大学, 新潟歯学部, 講師 (40215364)
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Keywords | 小児患者 / 行動管理 / 眼球運動 / 奥行き知覚 |
Research Abstract |
【被験者】 熟練群:臨床経験3年以上の歯科医師10名, 研修群:登院生(歯学部6年生)10名 【使用機器】 両眼眼球運動測定装置および眼球運動統計プログラム(竹井機器工業社製),両眼眼球運動解析用および分析用コンピュータ,ビデオテープレコーダー 【実験方法】 以下の要領で被験者の両眼の眼球運動を測定した。 (1) トレーニング場面;トレーニングルームの入り口から他の術者が行っているトレーニング風景を観察させた。 (2) 歯科診療場面;診療中の術者の後方から診療場面を観察させた。 解析は,視線の動き方を分析するとともに,両眼視差によって得られる輻輳角から奥行きの視線の動きをd(表示距離)=P/2 tan θ(θ;輻輳角,P;両眼間距離)で算出した。 【結果および考察】 (1) トレーニング場面:熟練群は術者の表情を見ている時間が長かったが,研修群は小児患者を見ている時間が長かった。 (2) 診療場面:熟練群は小児患者の手足の動きを見る時間が長かったが,研修群は術野周辺を見ている時間が長かった。 奥行き知覚については,信頼できる分析範囲がどの程度の距離かということが実験の課題であり,1m〜2mの範囲内ではほぼ信頼できる結果を得られるが,その範囲を決定するところまでは至らなかった。また,装置の較正に数十分の時間がかかる場合もあり,就学前の小児患者の眼球運動測定には使用するのが難しいかもしれない。さらに,両眼間距離(瞳孔間距離)の違いにより輻輳角に差が出るため,瞳孔間距離の正確な計測が必要であることも今後の課題である。
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