1998 Fiscal Year Annual Research Report
歯周組織由来細胞凝集魂(スフェロイド)の自家移植材へ応用
Project/Area Number |
10771228
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
杉山 貴志 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (00257304)
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Keywords | スフェロイド / HPLF / MG63 / ビタミンD_3レセプター / オスラオカルシン / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
歯根膜細胞はヘテロな細胞集団であることが知られており、形態的には線維芽細胞である一方、蛋白質合成レベルにおいては骨系細胞の特徴を備えていることが知られている、また外傷や感染など非生理的条件において歯と歯槽骨との骨性癒着を起こすなど潜在的に石灰化能を有している可能性があると考えられている。しかしながらこれまで歯根膜がヘテロな細胞群であるにも関わらずHPLFのOC発現に関する報告は少なく、ビタミンD3等の刺激により増加するというものが主体である。それらの報告によれば活性型ビタミンD3はそのレセプターと複合体を形成しOC,ALP等の調節部位に作用するものと考えられている。今回の免疫組織化学的検索でヒト骨肉腫由来細胞MG63とHPLFを平面培養、スフェロイド形態培養を用い経時的に比較した結果はMG63では平面培養、スフェロイド形態培養ともに陽性なのに対し、HPLFにおいて平面細胞でOC、VDRの著明な陽性所見は観察されず、スフェロイド形成した後、著明なOC陽性所見が認められ、VDR陽性所見が観察された。このことから観察されたOC陽性所見は、HPLFの培養形態が立体構造を有するスフェロイドに変化したことより、歯根膜由来線維芽細胞の細胞機能が変化した結果発現した可能性が高いと考えられた。
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