1999 Fiscal Year Annual Research Report
イヌ実験的インプラント周囲炎におけるビスフォスフォネートの骨吸収抑制作用
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10771230
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
犬束 明弘 朝日大学, 歯学部, 助手 (00298423)
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Keywords | ビスフォスフォネート / インプラント周囲炎 / 骨代謝マーカー |
Research Abstract |
ビスフォスフォネートは骨代謝疾患、特に骨粗鬆症など骨密度の低下を引き起こす疾患の治療薬として医科の分野において多く用いられており臨床的に効果があることが認められている。 ビーグル成犬10頭の下顎第3前臼歯を抜歯し歯槽骨の治癒後、1次手術として骨窩洞を作製し、チタン・インプラント・フィクスチャーを埋入し静着させたあと上部構造を装着し絹糸結紮により実験的インプラント周囲炎を惹起させた。実験群にはビスフォスフォネートを皮下注射により投与し、対照群には生理食塩水を投与した。 実験部位に対し毎週規格レントゲン写真撮影を行った。 その結果、実験的インプラント周囲炎惹起後、3週目以降で投与群において対照群よりも骨密度の高い推移が見られた。画像解析結果から絹糸を結紮し実験修了時の計測結果は対照群(2.54mm)と比較し実験群(1.50mm)において歯槽骨吸収の抑制が見られた。 また、採血、採尿を行い生化学的分析をった。 その結果、血中オステオカルシン量は実験開始2週目以降、投与群に変化が見られなかったのに対し、対照群で低い変動が見られた。尿中デオキシピリジノリン量は実験開始3日目および1週目に投与群と比較して対照群で高い値を示し、有意に歯槽骨吸収の抑制が認められた。 以上の結果よりビスフォスフォネートの投与はインプラント周囲炎における歯槽骨吸収の抑制に有効であることが示唆された。
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