1998 Fiscal Year Annual Research Report
抗菌活性および抗腫瘍活性Kinamycin類の立体選択的全合成
Project/Area Number |
10771235
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
熊本 卓哉 千葉大学, 薬学部, 助手 (50292678)
|
Keywords | 抗菌活性 / 抗腫瘍活性 / Kinamycin / 立体選択的 / 全合成 / Diels-Alder反応 / Danishefsky-type diene |
Research Abstract |
抗菌,および抗腫瘍活性を有するkinamycin類の立体選択的全合成を,以下の戦略で達成することを目的とし,研究を行った.1)Kinamycin類のもつ4つの環のうち,不斉炭素を有するD環をbenzo[f]indenone(1)とDanishefsky-type diene(2)とのDiels-Alder反応で構築したのち,必要な酸素官能基を導入する.2)現在までに報告例のない,高度に酸素官能基化された1の効率的合成をめざす.1)については,1のモデル化合物であるindenoneと2とのDiels-Alder反応を行い,kinamycin類のBCD環に相当する1,4,4a,9a-tetrahydro-3-siloxy-9-fluorenone(3)を得た.3を酸処理して得たenone(4)は容易に空気酸化を受け9a-hydroxy体(5)を与えた.この5をsilyl enol etherとし,オスミウム酸化して4,9a-dihydroxy体(6)を得た.現在,6の1,4-還元,オスミウム酸化によるD環上のすべての酸素官能基の導入を検討している.2)については,1の前駆体であるbenzo[f]indanone(7)の合成のモデル反応として,1-naphtholを出発原料とし,7の酸素官能基が1つ欠如したbenzo[f]indanone(8)の合成を達成した.現在,すべての必要な酸素官能基を有する7の合成,および脱水素による1への変換を検討している.
|