1998 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子活性化に対する抗リウマチ薬auranofinの作用の解析
Project/Area Number |
10771275
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山下 正道 東北大学, 薬学部, 助手 (90301035)
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Keywords | TPA / Prostaglandin E_2 / Nitric oxide / Cyclooxygenase-2 / Inducible nitric oxide synthase / Auranofin / Macrophage |
Research Abstract |
我々はこれまでに経口金製剤auranofin(AF)の抗リウマチ作用機序についてさらに知見を得る目的で、prostaglandin E_2(PGE_2)産生およびNirtic Oxide(NO)産生に対するAFの作用についてラット腹腔マクロファージ(Mφ)およびマウスMφ様細胞株であるRAW264.7細胞を用いて解析し、AFは各種刺激薬によるcyclooxygenase-2(COX-2)蛋白の誘導およびCOX-2を介するPGE_2産生を強く抑制すること、またAFはNO合成酵素であるinducible NO synthase(iNOS)蛋白のLPSによる誘導ならびにNO産生を強く抑制する作用があること、およびAFはCOX-2およびiNOSの酵素活性を直接阻害しなかったことを明らかにした。 NO産生とPGE_2産生は互いに影響を及ぼしあうと考えられているが一致した見解は得られていない。今回この点を明らかにするため、ラット腹腔Mφを12-O-tetradecanoylphorbol 13-acetate(TPA)で刺激した際に誘導されるNO産生およびPGE_2産生の相互作用およびAFの作用について解析した。その結果、TPA刺激によって増大するNO産生をNOS阻害薬L-N^G-monomethyl-L-arginine acetate(100〜1000μM)で完全に抑制した際にPGE_2産生は部分的に抑制された。またTPA刺激によって増大するPGE_2産生をcyclooxygenase阻害薬indomethacin(1μM)で完全に抑制した際にNO産生は部分的に抑制された。このときAF(3および10μM)は、NO産生とPGE_2産生をそれぞれiNOS mRNAレベルおよびCOX-2 mRNAレベルを低下させることにより共に強く抑制する事が明らかになった。従ってAFによるPGE_2およびNO産生抑制作用は、どちらか一方に対する強い産生抑制が他方の産生の抑制に部分的に関与しているだけでなく、双方のmRNAレベルをともに強く低下させることによるものであることが示唆された。
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Research Products
(1 results)