1999 Fiscal Year Annual Research Report
画像解析装置による葉類生薬鑑別法の開発に関する研究
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10771324
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
山路 誠一 富山医科薬科大学, 和漢薬研究所, 助手 (40291364)
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Keywords | 画像解析装置 / 葉類生薬 / 全草類生薬 / 鑑別 / 細胞壁 / 輝度値演算法 / 線分長比較法 / ずれ面積検出法 |
Research Abstract |
1)サンプルの蒐集及び同定 葉を有する生薬としてゲンノショウコ,コンフリー,竹葉などの市場品を購入したほか,食用の山野草類による中毒も踏まえ,これらと混同されるおそれのある有毒のトリカブト属,キンポウゲ属,ジギタリス属,シュロソウ属植物を採集し,リファレンス(比較材料)とした.植物の一部は同定不十分なため,再度採集の予定である. 採集植物:Geranium thunbergii Aconitum sanyoense,A.kiyomiense,A.zigzag var.ryohakuense,Ranunculus cantoensis,R.querpaertensis,R.japonicus,Digitalis purpurea,Veratrum spp.Hosta spp. 2)解析プログラムの開発 前年度「輝度値演算法」を開発し,細胞壁の形状をコンピュータ処理可能な二値画像とした.この画像では,細胞壁の形状は画素を点とする線で表現され,3つ以上の細胞が隣接したところでは,線分の分岐点として認識しうる.そこで細胞の凹凸の度合いを表現する方法として,分岐点同士を結ぶ線分と実際の細胞壁が描く線分について長さの比を求める「線分長比較法」及び,線分からのずれた部分の面積を求める「ずれ面積検出法」を考案し,これを演算させるプログラムを開発した. 3)結果 本法を用いてリファレンスのデータを解析したところ,従来の「周辺凹凸度法」に比べ,より視覚的な印象に近い結果が得られた.特に単子葉類に多い,葉身の軸方向に長い細胞の計測において有用であることが明らかになった.なお,現在リファレンスとしての比較植物の同定とその種のデータが十分なため,本年も採集を継続しデータを補完の後,報告の予定である.
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