1998 Fiscal Year Annual Research Report
Arylhydrocarbon receptorの細胞内機能の解析
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10771330
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Research Institution | Research Institute for Clinical Oncology, Saitama Cancer Center |
Principal Investigator |
生田 統悟 埼玉県立がんセンター, 研究所, 研究員 (00262072)
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Keywords | ダイオキシン / Ah レセプター / PAS蛋白質 / シャトル蛋白質 / CYPIAI |
Research Abstract |
arylhydrocarbon receptor(AhR)は、細胞内でダイオキシンの受容体として機能するリガンド依存性転写因子であり、リガンド結合により活性化されたAhRは細胞質から核へ移行する。AhRには活性のあるNLS(核移行シグナル)およびNES(核外移行シグナル)が存在し、核-細胞質間を往復するシャトル蛋白として機能する可能性があることを既に報告した。今年度はGFPとの融合蛋白を多核細胞の核に注入することによりシャトルしていることの証明を試みた。 AhRのNLS.NESを含むAhR(13-75)をGST-GFPのリンカー部位に連結した融合蛋白質を大腸菌で発現させた。これをSendai virusで多核にしたBHK細胞の細胞質に注入すると、全ての核に分布した。また1つの核に注入して一定時間保温後に観察すると、全ての核に融合蛋白質は分布していた。しかしながら、コントロールとして用いたBSAは注入部位にのみ認められた。これらよりAhRはシャトル蛋白であることが証明された。AhRの核外移行はレプタマイシンB(LMB)で完全に阻害され、NESレセプターとしてCRM1の関与が示唆された。 野生型Hepa-1細胞でのCYP1A1の転写活性はAhRのリガンドである3-メチルコランスレンで誘導される。しかしながらLMB処理された細胞では誘導的発現が阻害された。またAhRが発現していないHepa-1c12細胞に野生型AhRとNES変異型AhRをトランスフェクトしてCYP1A1の転写活性を調べたところ、転写活性は野生型の方が高かった。従ってAhRの核外移行は標的遺伝子CYP1A1の発現維持に関与することが示唆された。
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