1999 Fiscal Year Annual Research Report
非分裂病性引きこもり症候群における母親の情緒応答性についての研究
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10771333
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
近藤 直司 東海大学, 医学部, 助手 (50256111)
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Keywords | 社会的ひきこもり / 情緒応答性 / 母親の精神健康度 |
Research Abstract |
平成11年度に実施した4例の予備調査にもとづき、質問紙demographicを修正した。また、精神健康調査(GHQ),I FEEL Picture,Paretanl Bonding Inventry(PBI)に加え、成人の愛着パターン・内的作業モデルを分類し、数量化することを目的に開発された内的作業モデル尺度(IWMS)を使用することとした。 コントロール群に対する調査として、2000年2月現在で38〜67歳までの母親(平均年齢48,2歳)、21人のデータを得た。GHQの平均得点は2,6点、精神不健康の状態を示す7点以上の得点者は3人(14,3%)であり、20〜70歳までの家庭婦人を対象とした先行研究と同等の結果を得た。 IWMSにより、対象群の愛着パターンをみると、尺度I(secure尺度)の平均得点は21,3点、尺度II(ambivalent尺度)と尺度III(avoidant尺度)は、それぞれ18,2点、18,7点であり、安定した愛着パターンが優勢な一群であることが示された。 I FEEL Pictureでは、30枚の写真の中でポピュラー反応が出されたのは13〜26枚(平均18,9枚)、使用されたカテゴリー数は7〜14(平均10,8)であった。これらの結果は、女子大学生33名を対象とした先行研究と同等の結果であった。PBIについては、現在解析中である。 ひきこもりケースの母親については、これまで3ケースに対して実施した。GHQ得点は平均7,9点、全員が精神不健康の状態を示す7点以上の得点を示していた。IWMS、PBI、I FEEL Pictureについては、現在解析中である。今後、対象ケースへの実施数を増やすことで、ひきこもりケースにみられる母親の精神健康度、内的作業モデルと愛着パターン、あるいは情緒応答性の特性が明らかになるものと思われる。これらの結果にもとづき、家族への援助・治療のあり方を検討する予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 近藤直司: "非分裂性引きこもりケースに対する精神保健サービス-コミュニケーション能力と受診動機についての-考察"精神分析研究. 43.2. 121-129 (1999)
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[Publications] 近藤直司: "引きこもりケースにおける自己愛の精神病理について"思春期青年期精神医学. 9.2. 201-202 (1999)
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[Publications] 近藤直司: "引きこもりの理解と援助"萌文社. 212 (1999)
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[Publications] 狩野力八郎: "青年のひきこもり〜心理社会的背景・病理・治療援助"岩崎学術出版社. 244 (2000)