1998 Fiscal Year Annual Research Report
非分裂病性ひきこもり症候群における母親の情緒応答性についての研究
Project/Area Number |
10771333
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
近藤 直司 東海大学, 医学部, 助手 (50256111)
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Keywords | 社会的引きこもり / 家族特性 / 情緒応答性 / 家族援助 |
Research Abstract |
東海大学病院精神科の他、相川メンタルクリニック、山梨県立精神保健福祉センターの3施設合同で研究計画について検討を始め、平成11年2月現在で計7回の検討会をもった。検討会では、各施設における家族援助の実践から、社会的引きこもりをきたしている思春期・青年期ケースの家族特性、援助方針、問題意識などをKJ法により再構成し、研究計画を立案した。 「社会的引きこもり」を、「就学、就労、交友関係など、年齢相応の社会済的活動に6ヶ月以上参加していない状態」と定義し、不登校研究との重複を避けるために、16歳から30歳までのケースを研究対象とすることとした。母親ないしは両親を積極的な援助対象として認識する必要性があること、母親と本人との間の関係性、あるいは特有の親子関係が世代間伝達している可能性について検討することをとおして、引きこもりケースの母親にみられる特性と適切な援助方針を検討することを研究目的とした。現時点での母親の精神健康度、他者に対する情緒応答性のあり方、さらに母親自身の被養育体験との関連について検討することを目的に、相談のために来所・来院した母親を対象に、GHQ,IFEELPicture,Parental Bonding Inventry(PBI)を用いること、また年齢、子育ての経験などをマッチングさせた対照群との比較検討することとした。 予備調査として、計4例に対してGHQ,I FEEL Picture.PBIを実施し、現在解析中である。予備調査の結果を検討のうえ、平成11年度からは対象を拡大し、同時に対照群に対する調査を始める予定である。
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