1998 Fiscal Year Annual Research Report
抗癌剤グルクロン酸抱合能の薬理遺伝学的測定パネルの開発とその臨床応用
Project/Area Number |
10771340
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
横崎 典哉 広島大学, 医学部・附属病院, 助手 (50301304)
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Keywords | 抗癌剤 / グルクロン酸抱合能 / 薬理遺伝学 |
Research Abstract |
1. UGT in vitro cDNA発現パネルの確立およびSN-38グルクロン酸抱合責任アイソザイムの決定:UGT1A,2B各アイソザイムcDNA発現パネルを確立し,まず薄層クロマトグラフィー法により責任アイソザイムのスクリーニングを行った。その結果,UGT1A1およびUGT1A10を発現するCOS-7細胞を含む反応液でSN-38グルクロン酸抱合体が検出されたため,高速液体クロマトグラフィーにより最終決定を行った。UGT1A1および1A10ともにSN-38グルクロン酸抱合能を有することが確認され,その薬理学的パラメーター(Km,Vmax)はほぼ同等であった。 2. SN-38グルクロン酸抱合責任アイソザイムの遺伝的多型の有無の検索:健常ボランティアから採取した末梢血DNAを用いて,PCR-SSCP法およびMonoghanらの方法(Lancet347:578-581,1996)により,UGT1A1および1A10の遺伝的多型を検索した。現在までに約20名の末梢血DNAについて解析を行ったが,日本人においての遺伝的多型の存在の確定には至っておらず,現在さらに症例を蓄積し検討中である。 3. UGT酵素活性・mRNA発現量の個体差の程度の検討: SN-38グルクロン酸抱合責任アイソザイムであるUGT1A1および1A10発現の個体差の検討の予備的実験として,cDNAパネルを用いてこれらのアイソザイムの発現の組織特異性の有無について検討した。その結果,UGT1A10は腸管粘膜での特異的発現を示し,塩酸イリノテカン(CPT-11)の主たる副作用である下痢の程度に,UGT1A10の腸管粘膜での発現の個体差が関与している可能性が推測され,現在さらに検討を重ねている。
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Research Products
(1 results)