1999 Fiscal Year Annual Research Report
地域における高齢者の転倒と転倒への恐れに関する研究
Project/Area Number |
10771357
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
狭川 庸子 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (00301143)
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Keywords | 転倒 / 転倒への恐れ / 高齢者 / 地域看護 / 日常生活動作 |
Research Abstract |
地域の高齢者で、転倒の経験や転倒を恐れる気持ちから、もてる能カを十分に発揮することなく消極的な生活を送っているような対象が、安全を考慮しつつ、積極的な生活を送れるようにするための効果的な介入を検計するために、転倒の高リスク高齢者(ここでは,転倒既往者)を対象に,転倒への恐れの気持ちとの関連要因を検討する目的で,面接調査を実施し,実際の転倒の頻度,身体活動度と併せて事例検討ならびに関連要因の抽出を行った。 対象は,平成10年度の調査において対象となつた都内の老人保健施設入所または通所中の高齢者に加えて,都内の在宅高齢者で、訪問指導事業の対象者,および都内の大学病院通院中の高齢者であった。 転倒経験、転倒への恐れの気持ち、また転倒について注意しているかなどいくつかの項目を中心に自由に高齢者の言葉で語ってもらい,その内容について転倒を恐れる気持ちと関連する要因を中心にまとめた。転倒既往者の中にも再転倒を恐れている者とそうでない者が見受けられた。転倒後の活動レベルは様々であり,日常生活の生活パターンとの関連が示唆された。また,訪問指導事業対象者の中では,寝たきりに至ったきっかけが外出時の自転車との接触による転倒であるものが見受けられ,身体的には擦り傷程度であったものの,その後外出しなくなり,身体レベルが低下していた。大学病院通院中の高齢者については,医師からの転倒に対する注意が強く印象に残っているケースが複数見られたが,具体杓な対処法についての高齢者からの発言は少なかった。また,複数回転倒を繰り返しているケースには,特定の家屋の問題や日常の履き物に問題があるケース,外出頻度の高い生活パターンをもつケースがあり,個々にあった介入の可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)