1999 Fiscal Year Annual Research Report
頭頚部悪性腫瘍手術後患者の生活の満足度を左右する因子を探る
Project/Area Number |
10771385
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
原田 美佐 山口大学, 医療技術短期大学部, 助手 (60243672)
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Keywords | 頭頚部悪性腫瘍 / 生活の満足度 / 臨床看護 |
Research Abstract |
頭頚部悪性腫瘍手術後患者(以下対象者と称す)の生活の満足度を左右する因子を探ることを目的に、対象者55名に対して質問紙調査を実施した。回収率は90.9%、有効回答率は92.0%であった。質問内容は、日常生活の状況や身体的不具合、手術を受けたことに対する思い、再発に対する不安、今の生活に対する満足度(以下満足度と称す)などである。疾患群は舌・口腔底群・中咽頭群・喉頭群・下咽頭群の4群を対象とした。対象者の特性は、手術後経過年数は5年以上が最も多く、次いで1年未満、3年以上4年未満であった。性別は89.1%が男性で平均年齢は67.2±8.0歳であった。日常生活の中でまた身体的に不具合である割合が高かった項目は、「頚や肩にしびれや痛みがある」、次いで「他人に思いが伝わらない」であった。またこれらの項目の訴え状況を疾患群別に見ると、「他人の目が気になる」、「食べたいと思う食事が食べられない」など4項目に有意差が見られた。満足度に関してはフェイススケールを併用して包括的に測定したが、「どちらともいえない」が最も多かった。手術を受けたことに対する思いは、「よかった」が最も多く、手術を受けたことに対する思いと満足度とは弱い相関関係が見られた。再発に対する不安は、「不安に感じるが考えても仕方がない」が最も多く、再発に対する不安と満足度との関係は見られなかった。日常生活の状況や身体的不具合の訴え状況と満足度との関係では、「食べたいと思う食事が食べられない」、「洗濯や衣服の着脱などに不自由がある」など3項目にかなりの相関関係が見られた。手術後の経過年数・性別と満足度の間には明らかな相関関係は得られなかった。満足度を従属変数、その他の項目を独立変数として重回帰分析を試みたが、明らかな関係は見い出せなかった。 今後対象者数を増やし、モデルを再検討し、更に研究を進めていきたいと考えている。
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