1998 Fiscal Year Annual Research Report
緑内障患者の運動プログラムに関する基礎的研究-身体活動が眼圧に及ぼす影響-
Project/Area Number |
10780041
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Research Institution | Tsukuba College of Technology |
Principal Investigator |
香田 泰子 筑波技術短期大学, 一般教育等, 講師 (50234696)
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Keywords | 眼圧 / 有酸素性運動 / 無酸素性運動 |
Research Abstract |
1. 目的:本年度は各種の一過性運動負荷が眼圧に及ぼす影響を検討することを目的とした。 2. 方法:対象者は、眼疾患のない晴眼者とした。眼圧の日内リズムを考慮し、測定は一定時刻(午前中)に実施した。運動負荷は、有酸素性の持久性運動(自転車エルゴメーターによる40%、60%VO2maxの強度・各30分間)、高強度の無酸素性運動(自転車エルゴメーターによるオールアウト運動、アイソカイネテイックマシンによるレジスタンス系のオールアウト運動)、および頭部の回転を伴う運動(1〜2分間の倒立、ラート運動)、軽運動(30分間のストレッチング)とした。測定項目は運動前および直後、リカバリー中(最大1時間)の眼圧(非接触型眼圧計により測定)、血中乳酸濃度、血圧、心拍数等であった。 3. 結果:各種の運動により、眼圧はいずれも運動直後に低下傾向を示した。有酸素性持久性運動で眼圧は有意の低下を示した。その低下の程度は運動強度による相異はみられなかった。高強度の無酸素性運動においても、運動後に眼圧は有意に低下した。特にレジスタンス系のオールアウト運動による低下の程度が大きく、今回の運動の中で最大であった。頭部の回転を伴う運動においても、眼圧は低下傾向を示した。リカバリー中は、いずれにおいても眼圧は徐々に回復し、30分後までに前値に戻った。また前値よりも上昇することはなかった。一方ストレッチングでは運動後に眼圧の変動はみられなかった。また、眼圧の変動と、他の測完項目の間に有意の相関はみられなかった。4. まとめ:以上のことから、運動の形態や強度に関わらず、各種の一過性運動負荷によって、眼圧は低下する傾向があることがみられた。
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