1998 Fiscal Year Annual Research Report
マイタケ中に含まれる生物活性物質の糖尿病改善作用と体重増加抑制作用について
Project/Area Number |
10780087
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Research Institution | Nishikyushu University |
Principal Investigator |
堀尾 拓之 西九州大学, 家政学部, 講師 (90229229)
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Keywords | マイタケ / 糖尿病 / 水抽出物 / 体重増加量 / 耐糖能 |
Research Abstract |
平成10年度は主にOLETF糖尿病ラットにマイタケ及びマイタケから水抽出した抽出物を投与した時の糖尿病の諸症状に対する効果を150日間にわたり観察した。マイタケを投与した(OM群:n=11)時、コントロール食を投与した(OC群:n=6)時に比べて、約120g体重が抑制されていた。摂食量は投与後20週目においてもほとんど2群間に差はなかった。飲水量、尿量、尿糖はOC群よりも少なかった。糖能試験は18週目において空腹時で約30mg/dl、60分値で約65mg/dlほどOM群の方が低値を示した。一方、マイタケの水抽出した群(OW群:n=12)は、体重増加量でOM群よりやや高い値を取ったが、120日目以降体重が減少する傾向にあった。摂食量はOC群と同じ位であったか、尿量、飲水量はOC群よりも高い傾向にあり、尿糖は明らかに高い傾向を示した。しかし耐糖能はOC群よりやや低値であった。OW群のラットはばらつきか多かった為に有意な差は見られなかったか全般に糖尿病を改善する効果は観察されなかった。また実験期間をもう少し延長したらOC群にも顕著な糖尿病症状を呈し、OW群と同じ症状が現れたものと思われた。一方OM群には糖尿病の諸症状を改善する効果が観察されたが、ストレプトゾトシン投与ラットのような顕著な改善効果は見られなかったことから、マイタケはβ細胞には働き、インスリン分泌を促すが、末梢のインスリン抵抗性の改善には効果が低いかもしれないと思われた。また水抽出部分には糖尿病の諸症状を改善する効果は低いものと思われた。今後は熱水抽出物等で改善効果があるかどうかを試験してみたい。
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