1999 Fiscal Year Annual Research Report
自己免疫メカニズムに基づく情報処理モデルの構築とエージェントシステムへの応用
Project/Area Number |
10780240
|
Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
遠藤 聡志 琉球大学, 工学部, 助教授 (00223686)
|
Keywords | 自己免疫メカニズム / マルチエージェントシステム / 多峰性関数最適化 / 分業問題効率化 / 合意形成 |
Research Abstract |
今年度は,自己免疫メカニズムに学んだ最適化基礎理論構築およびそのエージェントシステムに対する工学応用可能性に関して,以下の研究成果をまとめた. 1.適応的免疫アルゴリズムを用いた多峰性関数最適化 多峰性関数における複数最適解の獲得を目的としたアルゴリズムを構築した.構築した手法は,二種類の独立した記憶機構を導入することにより,既提案の免疫アルゴリズムが有するパラメータ調整の問題を改善し,さらに記憶を再利用した局所探索により探索効率を向上させた.また,巡回セールスマン問題やBipolar Deceptive Functionへ適用し,提案手法の有効性を検証した. 2.マルチエージェントシステムにおける共同注視点に基づく合意形成 免疫メカニズムをマルチエージェントシステムに応用する場合に,各エージェント間でのタスクに対する合意を成立させることが重要になる.この研究では,フォーカルポイントの概念と強化学習のアルゴリズムを用いた合意形成の手法を提案し,マルチエージェント協調問題に適用した. 3.免疫的分業効率化アルゴリズムを用いたマルチエージェント分業問題解決 マルチエージェントシステムにおける分業問題を解決するアルゴリズムを構築した.構築した手法は,(1)免疫システムにおいて自己・非自己を区別する固有情報であるMajor Histocompatibility Complex(MHC)を利用した競合排除,(2)各種免疫細胞間の伝達情報により適切な抗体を産生する枠組である免疫ネットワークを利用した行動生成,という二つの相反する適応を内在しており,これらの相互作用により,効率の良い分業を探索する手法である.その基本性能を検証するため,分業巡回セールスマン問題へ適用した.
|
Research Products
(8 results)
-
[Publications] Naruaki Toma,Satoshi Endo,Koji Yamada: "Immune algorithm with Immune Network and MHC for adaptive problem solving"The IEEE international Conference on Systems,Man and Cybernetics.. CD-ROM IV. 271-276 (1999)
-
[Publications] 遠藤聡志,山田孝治: "マルチエージェント系におけるフォーカルポイントに基づく合意形成"電子情報通信学会技術研究報告 信学技報. Vol.99,No.204. 1-7 (1999)
-
[Publications] 當間愛晃,遠藤聡志,山田孝治: "免疫ネットワークを用いた自律ロボットの行動制御に関する一考察"電子情報通信学会技報研究報告. Vol.99,No.131. 23-28 (1999)
-
[Publications] 當間愛晃,遠藤聡志,山田孝治: "適応的免疫アルゴリズムを用いた多峰性関数最適化"電子情報通信学会技術研究報告 信学技報. Vol.99,No.539. 71-76 (2000)
-
[Publications] 遠藤聡志,山田孝治,与那覇賢: "マルチエージェントにおける共同注視点に基づく合意形成"人工知能学会全国大会(第13回)論文集. 1999年度. 284-287 (1999)
-
[Publications] 當間愛晃,遠藤聡志,山田孝治: "免疫ネットワークに基づく適応的最適化アルゴリズムの構築"情報処理学会第59回全国大会講演論文集. 分冊2. 95-96 (1999)
-
[Publications] 遠藤聡志,當間愛晃,山田孝治: "適応的免疫アルゴリズムの多峰性関数への適用"第9回インテリジェント・システム・シンポジウム,講演論文集. NO.99-18. 608-611 (1999)
-
[Publications] 當間愛晃,前堂卓也,遠藤聡志,山田孝治: "免疫ネットワークを用いた自律ロボットの行動制御"琉球大学工学部紀要. 第59号. 129-134 (1999)