1999 Fiscal Year Annual Research Report
水圏生物の放出型生理活性物質-モデル水槽水からの単離と構造研究-
Project/Area Number |
10780355
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
大井 高 徳島大学, 薬学部, 講師 (00203696)
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Keywords | 海洋天然物 / 生理活性物質 / 構造決定 |
Research Abstract |
主に300、450リットルの水槽を用い以下に示す生物について検討を行った。1.甲殻類オオミジンコ(Daphnia magna)の飼育と植物プランクトン形態変化誘発物質:Scenedesmus属やActinastrum属の植物プランクトンは捕食者であるミジンコ類との共存により形態を変え大きな群体を形成する。これはミジンコに由来する何らかの物質(カイロモン)を感知し捕食されにくく形態を変えた結果であると考えられる。そこでこれら藻類のミジンコ飼育水に対する形態変化について調べたところ濃度依存性を持って大きな群体が誘発されることが確認され、しかも活性物質は吸着樹脂で回収が可能であることも分かった。活性物質を大量に取り出すためオオミジンコの大量飼育を行い活性物質を回収し各種クロマトグラフィーにより分離を行った。活性分画は極めて低濃度(数ppb)で活性を示した。物性、構造についてさらに検討中である。2.緑藻スジアオノリ(Enteromorpha prolifera)の培養と遊走子走光性逆転物質:スジアオノリの遊走子は通常負の走行性を示すが藻体が浸かっていた海水中や藻体の抽出物を添加した海水中では正の走行性を示すことが確認された。これは自然界において藻体より放出された遊走子が既にあるスジアオノリ群落の中ではなくその周辺部にテリトリーを広げるための適応と考えられる。ペトリ皿を用いる走行性検定法を確立しスジアオノリ培養海水や抽出物より分離分画を進行中である。3.その他:アジサイイソギンチャク(Antheppsis cookei)、シマオウギ(Zonaria diesingiana)などの培養・飼育を行い水槽水の樹脂吸着成分について検討を行った。
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Research Products
(1 results)