1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10835006
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
松尾 崇 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教授 (00165771)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 圭治郎 神奈川工科大学, 工学部, 教授 (00257411)
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Keywords | 感性 / フラクタル / ゆらぎ |
Research Abstract |
本研究の目的は,パターンのフラクタル性を基盤にして,樹木の葉(木もれ陽),桜,紅葉などがどのようにヒトの感性に影響をおよぼすかを明らかにすることである.そのために,今年度はビデオ撮影・編集装置,コンピューター,ソフトウエアー等を購入した.そして樹木,新葉,桜,紅葉,木漏れ日などの自然界のパターンの写真およびビデオ撮影を行い,感性テストに使用する画像を制作した.またコンピューターシミュレーションによるフラクタルパターンの作成を行った.自然界のパターンについてはフラクタル性の確認を行い,樹木を除いた4つのパターンは2桁以上のスケール範囲で自己相似性を示すことを確認した.自然界のパターン(新葉,桜,紅葉,木漏れ日)をもとに,フラクタル的でない(均一な分布の)パターンをコンピューターで制作した.このようにして得られたフラクタルパターンとノンフラクタルパターンをA4の大きさに出力し,計14人の被験者に見せ,どちらが「美しい」と感じるかを判定してもらった. 「美しい」「こころよさ」などは色彩の影響を大きく受けるので色彩の条件を同じにして実験を行った.その結果,すべての被験者がフラクタルパターン(自然のパターン)の方が「美しい」と感じる結果になった.しかしながらコンピューターで生成したフラクタルパターンに対しては必ずしも「美しい」との判定には至らなかった.今後,フラクタル性の度合いなどを変えて,より詳細な条件下で調べていく必要がある. 上記の心理学的は方法に加えて脳波による生理学的な感性評価を行うために,脳波による感性解析システム(現有)による予備的な検査を試みた.脳波は視覚だけでなく音や被験者の体位,および健康状態によっても大きく左右されることが分かった.よって防音室を整備し,検査室の環境(温度,湿度),座るイスなどの影響を調べ,一定の検査状態を保てるような条件を調べている.
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