Research Abstract |
アミジグサ目22種,ウルシグサ目4種の藻体抽出液のpH測定の結果,アミジグサ目のアツバコモングサ(Spatoglossum crassum),ヘラヤハズ(D.prolifera),ヤハズグサ(D.latiuscula),ヒメヤハズ(D,repens),ウノレシグサ目のウノレシグサ(Desmare stia ligurata),ケウルシグサ(D,viridis),タバコグサ(D.tabacoides)で強酸の存在が確認された。その他の種では、強酸の存在は確認できなかった。強酸蓄積種の細胞内pHは,、抽出時の希釈率から算出すると,pH0.6〜0.8と推定された。 イオンクロマトグラフィーを用い、陽イオン(Na^+,NH_4^+,K^+,Mg^<2+>,Ca^<2+>),陰イオン(Cl^-、Br^-、NO_3^-、SO_4^<2->、I^-)を対象に測定を行った結果,先に確認された強酸蓄積種において高濃度のSO_4^<-2>の存在が確認された。イオンクロマトグラフィーを用い,カチオン(ナトリウム,アンモニウム,カリウム,マグネシウム,カルシウム),アニオン(塩素,硝酸,亜硝酸,臭素,硫酸,ヨウ素)を対象に測定を行った結果,アミジグサ目の種は,硫酸イオンを中心に考えた場合,大きく3タイプに,分類された。3タイプとは,(1)硫酸イオン非蓄積型:細胞抽出液は強酸性を示さず,海水と同程度の硫酸イオン濃度を蓄積する種(12種),(2)強酸性硫酸イオン蓄積型:細胞抽出液は強酸性を示し,高濃度の硫酸イオンを蓄積する種(4種),(3)非強酸性硫酸イオン蓄積型:細胞抽出液は強酸性を示さず,高濃度の硫酸イオンおよびマグネシウムイオンを蓄積する種(6種)であった。
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