1998 Fiscal Year Annual Research Report
巨大ヘモグロビンの分子構築にみるヘモグロビンの多様性と分子進化
Project/Area Number |
10836015
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
後藤 寿夫 徳島大学, 総合科学部, 教授 (90035692)
|
Keywords | ヘモグロビン / 糖鎖接着 / 超分子 / 環形動物 / 分子進化 |
Research Abstract |
環形動物の細胞外巨大ヘモグロビン(Hb)の分子構築ば12{3(a・A-b-B)・3/2L_2}と表わされるが、本研究では、多毛類に属するアオゴカイPerinereis aibuhitennsisのHbを用いて、グロビン鎖(a,A,b,B)とリンカー(L)との間には糖鎖接着があるとする我々の仮説Proc.Natl.Acad.Sci.USA.92,7367(1995))を検証することを目的としている。糖鎖接着は、糖鎖を使って複数のタンパク質をつないで超分子を形成するという新しい概念である。本年度に得られた新たな知見のうち主なものは以下の通りである。 1. 水溶液中でのリンカーの単離に成功した。更に、2種のグロビン鎖のサブユニットの組み合わせからは、四量体が3つ会合したサブマルチプル(3(a・A-b-B))が形成され、これにリンカーが加わることによって分子量3.5MDaの巨大Hbが形成されることが明らかになった。即ち、リンカーは超分子構築の最終段階に効いていることが判明した。また、リンカーの活性を検定することに初めて成功した(Gotho絵tあl.,ABB,360,75-84[1998])。 2. 糖鎖接着を検証する目的から、動的光散乱法によってN-アセチルコサミン(GalNAc)に対する巨大Hbの安定性について調べた。GalNAcの濃度が50mMまでは、巨大Hbが膨潤し、150mMでは80%程度がサブマルチプルのサイズに解離していることが観察された。このことは、GalNAcの存在はサブマルチプルには影響しないが、Hbとリンカーの結合には強い影響があることを示唆しており、糖鎖接着の仮説を支持する結果である(Yamaki et al.,ABB,344.119-123[1998])。 3. グロビン鎖aのアミノ酸配列決定は完了しつつある。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Toshio Gotoh: "Hexagonal bilayer structing of activiry of linker strudcting activiry of chains of an annelied giant hemogiobin form the polycihaete Perinereis aibuhitensis." Arch Biochem.Biopys. 360・1. 75-85 (1998)
-
[Publications] MaRiko Yamaki Carbohydrate-gluing is astrategy for supramolecular clamping of submutiples in annelid extraccellular multi-subunit hemogrobin.: "Arch Biochem.Biopys" 355・1. 1988. (119-123)