2000 Fiscal Year Annual Research Report
大気電界環境の非擾乱電気光学効果利用レーザ光計測に関する研究
Project/Area Number |
10837017
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
住吉谷 覚 福岡大学, 工学部, 教授 (60171310)
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Keywords | 電界計測 / レーザ光計測 / カー効果 / ポッケルス効果 |
Research Abstract |
大気電界環境の非擾乱計測法として、電気光学効果を利用した計測法の研究を遂行しており、レーザの利用、カー効果の利用、ポッケルス効果の利用、光学素子軸角ズレ効果の利用、ミラー光路多重化効果の利用、CT電界再構成法の利用(およびそれぞれの効果、それぞれの手法そのものの検証を含む)について多岐に検討を進めている。本年度においては、上述の各検討課題に対し、少なからぬ成果を得ることができたが、ここでは、紙面の都合上、大きな進展のあったポッケルス効果利用とCT電界再構成法の利用について述べる。まず、ポッケルス結晶(水晶)の光学素子特性、電界ベクトル感度特性に新しい知見が得られた。1:結晶特有の旋光性は、特に水晶においては〜20度/mmと大きく、結晶の光路厚みによっては、旋光角360度の整数倍が発生してしまい、見かけ上、旋光特性がマスクされてしまう現象を確認した。2.結晶特有の旋光性が存在する場合、電界印加によって発生する光電界の直交2成分の位相ズレは、旋光性と共に存在することから、チェヴィシェフの近似を用い、連続的な位相ズレおよび旋光性を取り込んだ、ポッケルス結晶利用のための解析式を導出した。3.結晶X軸を基準とした種々の条件設定に対し、解析式は実験結果を良く説明できた。4.結晶X軸に対し電界が任意の角度傾いている場合、前述の解析式を同様に適用可能であることを見出した。また、その傾き角度は解析式中の旋光角の項に付加する形で現れており、基礎特性としての結晶旋光角と印加電界の傾き角度の関係が示唆される。一方、CT電界再構成法においては従来、観測方向数を増やすことで再構成精度向上を考えていたが、本年度の検討において、観測方向数を減らしても飛躍的に再構成精度が向上し、モデル電界を忠実に再現できる修正アルゴリズムを開発した。
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