1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10838038
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
柳原 直人 玉川大学, 工学部, 教授 (20074370)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 夏夫 玉川大学, 工学部, 助教授 (80171239)
菅沢 深 玉川大学, 工学部, 助教授 (80297100)
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Keywords | 車椅子 / 階段 / 車輪 / アーム / 姿勢制御 / 段差 |
Research Abstract |
階段昇降と平地走行の両立が可能な車椅子を設計・製作し、実験によって両立が可能なことを確認した。この車椅子は、十字形のアームの各先端に車輪が付いた機構(車輪付きアーム機構)を用いることを特徴としている。平地走行時には車輪付きアーム機構の駆動輪タイヤと本体の前方に取り付けたキャスターとを用いて走行し、ジョイスチックの操作により通常の電動車椅子と同様な走行が可能であることが確かめられた。また、階段昇降時には座席後方に設置した姿勢保持用アーム先端の従動輪を後方に倒して階段上に接地させ、車体の重心の位置を駆動輪と従動輪の間に移動させて使用する。そのため、座席を駆動モータによって前後にスライドさせる機構を取り付け、シーケンス回路とリミットスイッチにより、切り替えスイッチの操作だけで前後への重心移動を可能にしている。また、階段昇降中に段差による高さの変動よって座席の角度が変化しないようにするため、、座席が取り付いている本体に傾斜センサを取り付け、マイクロコンピュータを用いて姿勢保持用アームの角度を制御することにより利用者が安定した姿勢を保ちながら階段昇降できるようにしている。この車輪付きアーム機構には、駆動輪のモータが回転していなくてもアームが回転することによって車輪が逆転する特性があり、低い段差の乗り越えが困難な場合があった。そのため、回転アームには考案した油圧形の高速回転防止機構を取り付けてこれを防止している。けあげ高さ165mm、踏み面長さ320mmの階段を体重70kgの人が昇降した実験においては、一段あたりの上昇時間約5秒、降下時間約8秒で安定した昇降が可能であることが確かめられた。
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