1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10838046
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
藤原 誠 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (90030858)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
穐山 尚子 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (40277489)
中野 恭一 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (50131587)
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Keywords | 片麻痺 / 歩行 / 腸腰筋 |
Research Abstract |
片麻痺患者の歩行は、筋出力が増加し、共同運動からの分離が進むにつれて二重推力支持期(健側と患側の両脚支持の時期に続いて患側下肢による蹴り出し終了まで)の時間が短縮されて行くという研究結果に基づき、「片麻痺患者の歩行の安定化は膝伸展機構関連筋と腸腰筋の働きの改善に依存する」ものとの仮説から、片麻痺患者の歩行における下肢筋、特に腸腰筋の筋活動パターンを検討している。 正常では、膝伸展機構に属する筋は、遊脚後期で下肢伸展しつつ踵接地を迎える時から立脚期(外側広筋では立脚中期まで、内側ハムストリングでは次の遊脚開始期まで)にかけて相動的な活動を示す。片麻痺患者では、回復段階が低次で個別関節随意運動における筋放電が非常に少ない段階から、共同運動の中である程度の筋放電が見られる段階までは、内側ハムストリングには正常の相動的筋活動は見られず、歩行全周期に持続性の放電が観察された。 一方、腸腰筋では、片麻痺回復の初期から、正常と同様な相動的な活動が認められ、歩行周期内の各時期に特に異常な筋活動を見ることはなかった。 以上から、片麻痺患者では、安定した歩行を獲得する過程で、腸腰筋の働きよりむしろ膝伸展機構の協調的な働きに注目する必要のあることが示唆された。
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